好爺Gさんで、まいらう

やほおブログ難民だす

心豊かな暮らしを

想い出の散歩(2)

僕は、門の方に向かって歩き出した。
建物を取り囲む木々の色付きを見ようと思って。
「ここの紅葉も見納めですね。」
と言ったかどうかは覚えていないが、彼も
自然な動作で同じ方向に向かって歩き出した。

僕たちは建物を囲む小路を、肩を並べて、しかし触れ合わせることはなく、
歩き出した。

途中で、雑木林の方に続く余り人が通っていない草だらけの横道があり、
「こっち行ってみよう、」と彼は言った。
他の誰の目も届かない、林の中を僕たちは歩いていった。