2021-11-24 想い出の散歩(1) 思い出の散歩 何度でも、思い出した時に描いておこう。僕は、昼飯を食べ終わって庭に出た。やがて、別れなければならないと分かってた。ベンチに座ってる彼の姿が見えた。スマホで電話をしてた。きっと奥さんに掛けてるんだろ、と思った。僕は晴れた秋空の下、一人で庭の隅へ行った。そこには紅く色付いた葉があった。この人の近くに居られた時も終わる。ふと、人の気配に気付いた。彼がそばにいて、同じ様にその紅を見上げていた。「きれいな紅葉ですねぇ」と、僕は言うともなくつぶやいた。