好爺Gさんで、まいらう

やほおブログ難民だす

心豊かな暮らしを

夢と知りせば(3)

風呂から上がろうと、着脱衣エリアでバスタオルを手に湯船の方を見ると、
こちらを見ている人が居る。
自分の周りに他の人は居ない。

体を拭き、少し間をおいてから、また湯船の方を見る。
さっきの人はまだこちらを見ていた。まさか!
誰かが自分に向かって、あんな視線を向けるなんて考えられない。

これまでも無かったし、きっとこれからも無いだろう。
視力の悪い人が何となくこちらを見てるか、違う人を想って見てたに違いない。
しかも、自分の好みのタイプの人だし、そんな都合の良いことはあり得ない。

少しだけ、もしかしたらと思いながらも、体を拭きガウンを着て、
上の階の暗がりに椅子の並んだ休憩場所に向かう。
誰も居ない。椅子並びの真ん中辺りに座る。
汗が引くまでそこで休むために。