好爺Gさんで、まいらう

やほおブログ難民だす

心豊かな暮らしを

ある一日のなかで

夢と知りせば(5)

薄暗がりの中で、二人の時が始まる。唇と唇が触れ合い、やがて舌が絡み合う。肌と肌が触れ合う。指先が柔らかく体をなぞり、言葉にならない声が時折低く響く。唇もまた、互いの体を這い、喜びに体を震わせる。やがて途切れるとも知らず、時間が瞬く間に過ぎ…

夢と知りせば(4)

目を閉じたり、汗を拭いたり、時々入り口付近に現れる人を凝視したりしながら、少し休んだら、また風呂場に行って、もう一度入ったら帰ろうか、と考える。暫くして、入り口付近に来た人を見ると、さっき湯船から僕を見てた銀髪の人だった。僕を見極めてか、…

夢と知りせば(3)

風呂から上がろうと、着脱衣エリアでバスタオルを手に湯船の方を見ると、こちらを見ている人が居る。自分の周りに他の人は居ない。体を拭き、少し間をおいてから、また湯船の方を見る。さっきの人はまだこちらを見ていた。まさか!誰かが自分に向かって、あ…

夢と知りせば(2)

自動ドアが開いて、サッと中に入り下駄箱を眺める。今日はとっても利用者が少ないみたいだ。どの道、素敵な方が居ても、相手にされることは少ない私だから、きっぱりと風呂に浸かって体を癒すことだけに専念しようと、踏ん切りをつける。洗い場、シャワー、…

夢と知りせば(1)

梅雨の中のとある一日、野暮用で東京へと向かう。交通系のICカードがつい先日更新されたばかりで、残高ゼロ円だけど、改札時入れるかどうか心配だったけど、それは大丈夫だった。電車は幸い途中から座れた。でも、両側に人が居るので、スマホは出さず、目を…