けっこ禿しかった雨が去って、
秋の静けさが戻ってきた。
落ち葉を踏み締めながら、
自転車が行く。
木の葉が、前に後ろに
舞い降りる。
空気の冷たさが、
冬の訪れを予感させる。
笑うことも、泣くことも忘れて、
活きることすらも忘れて、
この途にある。
どうやって飛び出そう?
どこまで飛び出そう?
おいらの出先は頼りないかも?
隣人の歩く音に耳傍立てる。
窓を開けると、
やや湿った風が
おいらの手に、頬に。
行かねくちゃ、
おいらは自分に言う。
行かねくちゃなんね、
おいらの選んだ途を、
たとひそれが茨の途たりとも。
下穿きは、100円ブリーフに
ブロードのステテコで。