１つの駅で、２つの
恐ろしい事件を
目撃した。
理由は分からないが、
奇妙な一致。
一つ目の出来事は、
上りエスカレータに
乗ったおじさんが、
降り口のちょっと
手前で、つまずいたのだ。
どんどん上昇するエスカレータで
頭をこすったらしく、
額から血を出していた。
もう一つは、４０代くらいの
サラリーマンが、卒倒したことだ。
本当に、倒れていく体を守ること無く、
まっすぐに倒れて行った。
恐ろしいほどまっすぐに。
どちらも、酔っているのか、
病気等のせいなのか、
見た感じでは、何も
分からない。
僕には、どちらも現代の
不安の象徴のように見えた。
どこから見ても正常な人が、
ある日、突然路上に
倒れてしまうような、
そんな不安。
そうさ、おいらにも
明日はある。
しかし、いつか、突然に
終わりがやって来るかも知れない。
どんなに頑強な防御をしても、...。
それに備えている人は
少ない。
