一歩歩む度に刺される
棘の路であろうと、
歩く為に整備された道で
あろうと。
ヒトが歩いた跡を行くのでぁ無く、
誰も行かなかったとこを
進むのだ。
誰かに誇る為では無く、
自らの欲求を満たすため。
笑みに溢れた彼女等が
行く途は知らない。
ヒトはそれぞれに
途を選ぶ。
おいらは、ただ歩むことを
選ぶ。
速さを競うことも
遠さを競うこともせずに。
助けることも、助けられることも
せずに。
個が生きたことの波紋が
わずかに水面に残るのみ。
実存の微小の浪が。
やがて訪れる暗闇がヒト
惑わす。