歩く。
融けた雪がまた凍り付き、
踏みつける度、
シャキシャキと音を立てる。
乾いたように見える薄氷が
おいらの足を掬おうと
襲い掛かる。
まだ、誰の足跡もない場所を
探しては靴跡を残す。
ふむ、確かに、おいらの靴だ。
帰り道に自分の靴底を検査する。
やがては消えてしまう、小さな証。
あるものは融け、あるものは土に混じり、
あるものは静かに空中を漂う旅に出る。
降りてきたものは、やがて、
その道を戻る。
下穿きは、トランクスに白股引で。