スーパーにふらっと行く。何かが欲しい。
男物の福袋を覘いても、欲しいものがない。
下着売り場をぶらつく。
パンツが、ウォームビズ下着が新春の空気の中に明るく飾られている。
ここにも無い。
端に褌が置いてある。柄物で、悪くは無さそうだ。
でも、それも俺の探し物ではない。
疲れた足を休めに、店内のオープンカフェに寄る。
コーヒーはそれほど飲みたいわけでもない。
でも、それは、そこにあった。
目の前を通り過ぎるオヤジ達、
連れ合い達と或いは一人で通り過ぎるオヤジ達を見る。
ココロは、少し満たされた気分だ。
俺が欲しかったのは、このオヤジ達なんだな。
多分、この中の一人か、この沢山の中の何人か。
ココロの中でそっとつぶやく、「僕と温泉に行こう。」