おいらは、誰よ?
ビルの木陰のちょいっと
涼しいところで、
一通りを眺めながら、
何かを待ってる。
風が心地好い。
誰もおいらに
目を向けることなく
通り過ぎて行くのも
気持ち好い。
透明人間にでも、
なったみてだ。
欲しがることを続けりゃ、
終わりがねぇほどの
物欲主義者。
んでも、こぉして、風を受け、
ビルの手前に広がった広場を見る時は、
ココロん中はすっからかん。
毎日が、待ち受けみてなおいら。
んで持って、得られたもんが
期待通りじゃねぇと、
ぶくぶくと不満を泡を吐き出してる。
ん、そ-じゃねだろーよ。
世の中、待ち受けだけじゃ、
ダメだろーよ。
前さ出るこんだ。
うえいたは、訳も無く、
来もしない着信の有無を調べに
ケータイを見る。
うえいたは、乾いた風の中に
自分への足音を捜す。
うえいたは、目をつむり、
時の流れを忘れる。