雪の層があった。
少し表面が凍ってて、
歩く度にしゃりしゃりと
音がしてた。
一部、朝一番の足痕を
付けて来た。
子等よ。
おいらの足跡の上を進め、
もし、それがあるところは。
でも、もしそれが無いところに来たら、
そこからは自分で足跡を残しながら
歩くのだ。
時にはそれは難しく、
後戻りしたくなる。
その時は、なあ、
子等よ、振り返っても
そこには誰もいない。
立ち止まって、自分で考えろ。
他の誰かの足跡の上ばかり
歩くことを考えるな。
恐れることは無い。
まっさらの雪の上に
最初の一歩を踏み下ろし、
新しい足跡を、残す喜びを知れ。
心配するな。
その雪の下深くに、
誰かの足跡があり、
彼らもまた、そのように恐れ、
歩き出したのだから。
Gさんは、そう語った。