周辺の木が少なくなったからか、
ウチの門のところの木で、
セミが僕を見送りながら、
鳴いていた。
おはよう、なのか、
いってらっしゃい、なのか、
さよなら、なのか、
その意図は分からない。
力尽きる最後の瞬間まで、
彼らはきっと、生きようとするんだろう。
たくさんの成虫が空を飛び、
そして、わずかな生涯を閉じる。
来年もきっと鳴くセミは、間違い無く、
今朝の君ではない。
そうして世代交代を重ねていく
セミの種達、彼らの時間が、
永く続きますように。