もしかして、自分の顔を鏡で見て、
自分が余りに年を取ってしまったのに気づいたら、
外へ出て、明るい日の光に当たろう。
青空の下で寝っころがって、
青春時代に聞いた歌を思い出そう。
俺の親父は、何なの。
著名人じゃないし、識者じゃないし、
ただの親父。
俺のお袋は、何なの。
何かを達成したの?
苦しみながら逝ってしまった。
俺は、何なの?
何をしたの?誰が覚えててくれるの?
俺の名前、俺の体、俺のしたこと、
俺のしたかったこと、俺のココロ。
公園を歩いていくと、鳩が寄ってきた。
君たちに上げる餌は無いよ。
でも、彼らは来る、僕は歩く。
ベンチに座り、快晴の空を見上げる。
秋風が僕のほほを撫でる。
歴史に名前を刻むことは、多分無い。
そのために、よっぽど良いことはできないだろうし、
よっぽと悪いこともできないだろう。
生きていく、ただ、生きていくために仕事をする、
サラリーマン。
多分、亡くなった何年後かには、誰も覚えては居ない。
芝生の上に寝そべって目をつぶる。
僕がここで生きてきたことは、
何年か後にはどうでもよい事になっちゃう。
何千年も後に名を残すのはほんの少し。
青空が頭の中に広がる。
群れから離れた一羽の鳩がその中を飛んでいく。
秋の風が、肺から入ってココロを濡らす。
夢から覚めて、自分を見る。
多分、みんなから忘れられる、多分そうだけど、
僕は、歩いていく、これからもずっと、死ぬまで。
ここいらで、ちょっとずつ、人の役に立ちながら。